Q.遺産である賃貸物件から発生する収益を1人の相続人が独占している場合どうすれば平等に分配できますか?
相続発生後の賃料収入については、遺産とは別個の財産とされ、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものとされています(最一小判H17年9月8日(民集59巻7号1913頁))。
相続が発生してから遺産分割により不動産の取得者が決まるまでは、賃料収入は各相続人の相続分に応じて各相続人に帰属します。
そのため、分割前の収益であれば不当利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求などにより、独り占めしている相続人に返還を求めることができます。
この記事の執筆者

弁護士法人 稲葉セントラル法律事務所
代表弁護士
稲葉治久
保有資格
弁護士
専門分野
一般民事 ・交通事故 ・相続 ・離婚 ・各種損害賠償 ・成年後見 ・債務整理 ・不動産取引 ・学校問題 ・民事信託 ・建築紛争 ・刑事 ・その他 ・企業法務
経歴
- 江戸川学園取手高校卒業
- 慶應義塾大学法学部政治学科卒業
- 青年海外協力隊員としてアフリカ・ジンバブエでボランティア活動
- 関東学院大学法科大学院卒業
- 平成24年 弁護士登録
- 平成28年7月より稲葉セントラル法律事務所を開設
- 令和4年4月より弁護士法人稲葉セントラル法律事務所を設立